hamakyo.log
open main menu

CIDRとネットワークセグメントの理解

/ 3 min read
last update date:

CIDRとネットワークセグメントの理解

CIDR(Classless Inter-Domain Routing)の基本

CIDR表記は、IPアドレスの後に「/数値」(プレフィックス長)を付けて表す。この数値はネットワーク部の長さ(ビット数)を示す。

CIDR表記の意味

  • プレフィックス長: IPアドレスの先頭から何ビットがネットワーク部かを示す
  • ネットワーク部: 固定された部分で、同一ネットワークに属するすべてのデバイスで共通
  • ホスト部: 可変部分で、ネットワーク内の個別デバイスを識別する

表記方法の例

CIDR表記2進数表記10進数表記
/2411111111.11111111.11111111.00000000255.255.255.0
/1611111111.11111111.00000000.00000000255.255.0.0

CIDR値とネットワークサイズの関係

CIDR値(プレフィックス長)が小さいほど、ネットワークは大きくなる。

CIDR値ホスト部ビット数利用可能IPアドレス数適した使用環境
/3201単一ホスト
/248254小規模オフィス
/161665,534大規模企業

計算式

  • 理論上の総IPアドレス数 = 2^(32 - CIDR値)
  • 実際の利用可能なIPアドレス数 = 2^(32 - CIDR値) - 2 (ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを除く)

セグメントごとのCIDR設定

ネットワークをセグメントに分割し、それぞれに異なるCIDR値を割り当てることができる。

メリット

  1. 効率的なIPアドレスの割り当て 各セグメントの規模に応じて適切なサブネットサイズを設定可能。リソースの無駄を最小限にできる。
  2. セキュリティの向上 論理的にネットワークを分離でき、セグメント間の通信制御が容易になる。
  3. ネットワーク管理の簡素化 トラブルシューティングが容易になり、拡張性と柔軟性も高まる。

設計例(企業ネットワーク)

部門/用途IPアドレス範囲CIDR表記利用可能IP数
営業部門192.168.1.0/24254
開発部門192.168.2.0/23510
経理部門192.168.4.0/2662
来客用WiFi192.168.4.64/2662

設計上の考慮事項

  • CIDR値の選択: 必要なアドレス数より少し多めに確保し、将来の拡張を見越す
  • 効率性: CIDR値を小さくしすぎるとアドレス空間が無駄になる
  • セキュリティ: 重要なシステムは独立したセグメントに配置する
  • 拡張性: 将来的な増加を想定して設計する